読書

2015年12月 3日 (木)

高田宏さん

作家の高田宏さんが、先月24日に亡くなられたことを、昨日の新聞で知りました。
83歳でした。

木と猫と雪がとてもお好きでした。
森や猫、ドリトル先生、自然等について書かれた文章に感銘を受け、送った手紙にお返事を下さり、以降、年賀状のやり取りもさせていただくように。
私の本を送ると、その都度、温かなコメントのお便りや、画家をされている次男の雄太さんの素敵な猫の絵葉書セットをお祝いに下さったこともありました。
葉書の隅に小さな猫のシールが貼ってあったり、うちの猫やウサギのことを尋ねられたりと、いつも優しさを感じるお便りでした。

一度だけお会いできたのは、2001年4月、高田さんが審査員のお一人だった「ゆきのまち幻想文学賞」で佳作に入選した時のこと。
青森の八甲田ホテルで泊りがけで行われた授賞式は、和やかで和気あいあいとしていて、今も忘れられない思い出です。
あんなに温かな授賞式は、それまでもその後も経験したことがありません。

最後にいただいたお便りは、去年の6月。
『たいくつなトラ』へのお礼と感想でした。
物語に登場したナンキンハゼのことにも触れて、「長崎のあちこちのナンキンハゼ並木はどんな並木より好きです」と書いておられました。
今年の年賀状へのお返事が無かったので、少し心配していましたが…。
亡くなられてしまったのかと思うと、淋しくてたまりません。

生まれ変われたら木か猫になりたい、と以前、書かれていたような記憶があります。
さて、どちらにしようか…と、今頃、思案されているのでしょうか。
心よりご冥福をお祈りいたします。

Photo

ナンキンハゼの赤い葉。

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2015年1月22日 (木)

『東京駅をつくった男』

福岡在住の児童文学作家、大塚菜生さんから、『東京駅をつくった男』(くもん出版)を送ってただきましたbook

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昨年開業百周年で話題になった東京駅ですが、その駅舎を設計をした辰野金吾氏が、佐賀県の唐津出身だったということも、初めて知りました。
コンプレックスをバネに、ライバルたちと切磋琢磨しながら懸命の努力を重ね、後世に残る建物をいくつもつくった彼の人生には、励まされる子もたくさんいることでしょう。
最終ページには、国内にいまも残る辰野金吾設計の建築物紹介も。
見学に行ってみるのも、楽しそうですnote

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2014年2月27日 (木)

詩集『ズレる?』 

昨年のことですが、ボイスポエム「朗ら朗ら」のご縁で、詩人の西沢杏子さんと、お知り合いになることができました。
西沢さんは、以前、朝日新聞で虫の詩を連載されていて、私は毎回それを楽しみに読んでいました。
なので、お会いできてとても感激したのですが、生き物好きと、九州出身(西沢さんは佐賀県のご出身です)という共通点のおかげで、その後メールのやり取りなどもさせていたいています。

西沢さんは、“虫の落とし文”というHPを運営しておられて、そこには虫の写真を投稿することもできます。
http://www.ne.jp/asahi/mushino/otoshibumi/
(下に、リンクもあります)
虫だけでなく、本の紹介や自然、ご自宅の猫さんたちの写真もあったりして、とても楽しいHPですので、皆様もぜひ訪問されてみて下さいね。
私も実家の庭で見つけたツチイナゴの写真を、さっそく投稿させてもらったのですが、なんとそれが、2013年の珍しいで賞!にbell
賞品には、西沢さんの詩集『ズレる?』を希望して、送っていただきましたbook

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鋭くて、時にはユニークな視点の詩の根底に流れる、命への温かな眼差しと深い共感を感じました。
ハッとさせられる詩がいくつもある、素敵な詩集でした。

西沢さんは童話の本もたくさん書かれています。
先日読んだ『むしむしたんけんたい』シリーズは、虫が好きな子はもちろん、苦手な子にこそぜひ読んでもらいたい!と思えるシリーズでした。
私も“むしむしたんけんたい”に入りたい!と思っちゃいました。

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 ↑ はシリーズ1巻目。他に「にんじゃむしの巻」と、「ふしぎむしの巻」が出ています。
どれもお話自体が楽しいうえに、虫の生態、飼い方などもわかって、お勧めです。

春になると虫達も次々と姿を現します。
今年はどんな虫に出会えるか、楽しみですdiamond
良い写真が撮れたら、また、“虫の落とし文”に投稿したいと思いますcamera

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2014年1月24日 (金)

『れんげ荘』

群ようこさんのエッセイや小説が好きで、よく読んでいます。
少し前にはまったのが、小説『れんげ荘』シリーズです。

主人公のキョウコは45歳にして、働くことをやめ、溜めた貯金で月10万円の暮らしを始めます。
実家を出て、住み始めたのが家賃3万円の古いアパート“れんげ荘”。
梅雨にはカビが、夏には虫が、冬は屋内と思えない寒さが…、と次々出てくる不便さに悩みながらも、小さな贅沢を大事にして、日々を楽しんでいきます。
とても私にはできそうにないことですが(そもそもそんなに貯金がないし!)なんだか、ちょっと憧れてしまう生活です。

いつの間にか、部屋に溢れてしまっている物を見て、時々溜め息がでます。
物だけでなく、これからは万事「あれもこれも」ではなく、「あれかこれか」で、もっとシンプルに生活できれば…、と最近ますます思いを強くしています。
だからこそ、キョウコの生き方に共感するのかもしれません。
いやでも残り時間を意識する世代になってきました。
私も少しずつ身軽になっていきたいなと感じるこの頃です。

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2013年12月11日 (水)

『あのこもともだち やまだまや』

詩誌「小さな詩集」のお仲間、杉本深由起さんの新作童話『あのこもともだち やまだまや』が10月に出版されましたbook

あのこもともだちやまだまや あのこもともだちやまだまや
杉本 深由起 長谷川 知子

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“やまだまや”という、上から読んでも下から読んでも同じ名前の、元気と好奇心いっぱいの女の子が主人公のシリーズ3冊目です。
今回は、まやちゃん同様、上下から読んで同じ名前の“なかたかな”という子が登場!
まやちゃん、心穏やかではおれません。
ほかにも保健室の“おだ まり”先生など、ネーミングもクスッと笑えます。
おしゃべり好きで、はつらつとしたまやちゃんには、子どもたちも楽しく共感することでしょう。

杉本さんは、“やまだまやシリーズ”のほかにも、漢字をテーマにした詩集『漢字のかんじ』など素敵な詩集も何冊も出しておられます。
「やまだまや」シリーズ、今後も楽しみですhappy01

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2013年11月20日 (水)

伊藤遊さんに小学館児童出版文化賞!

このブログでも以前紹介しました伊藤遊さんが、『狛犬の佐助 迷子の巻』(ポプラ社)で、小学館児童出版文化賞を受賞されました!
http://cottonnoha.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-a683.html

14日の授賞式に私もご招待いただき、出席して来ました。

Photo

おめでとうございますshine

Photo_2

↑審査員もねじめ正一さんや角田光代さんなど、蒼々たる顔ぶれ。

神沢利子さんや角野栄子さんという、超ベテラン作家さんもいらっしゃっていて、私はただただ圧倒されてキョロキョロながめているばかり。(しっかりお料理は食べつつrestaurant
式の後のポプラ社さんとの食事会にもお誘いいただき、そこで伊藤さんとはたくさんお話しすることができました。
伊藤さんは、とても気さくで謙虚で楽しい方で、私も胸弾む貴重な時間を過ごすことができました。
出版された本が、1冊でも賞をもらえばすごいことなのに、それを何冊も…となるとほんの一握り。
これからまた、どんな伊藤ワールドと出会えるのか、ファンの一人としても楽しみにしています。

伊藤さんの『となりの蔵のつくも神』という本も、今年文庫化(ポプラ文庫)されています。
『狛犬の佐助』と同じく、絵は岡本順さん。こちらもとても楽しい本です。

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2013年11月 2日 (土)

佐賀県の課題図書に

『うさぎのラジオ』が、佐賀県の第49回新春読書感想文コンクール、小学校中学年部門の課題図書になりましたbook

http://www.pref.saga.lg.jp/web/kisha/_75511/_75568.html

夏の長崎に続き、今度はお隣の佐賀県ということで、とても嬉しいです。
手に取った子ども達が、楽しく読んで、自由に書いてくれればいいな、と思います。
どんな感想文が集まるのでしょうか。
とても楽しみですshine

Photo

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2013年10月31日 (木)

お知らせ

させぼ文化ウィークにおいて、「子どもの本にこめるおもい」が、11月9日(土)が開催されますbook
佐世保在住の童話作家、新井悦子さんも参加されています。

http://www.city.sasebo.nagasaki.jp/www/contents/1381152437577/index.html

 ↑ させぼ文化ウィークという催しの中での企画です。

第1部は児童書編集者の、はまのえりこさんを講師に迎えた講演会で、新井さんとの対談も。(14:30~16:00)
第2部ははまのさんを囲んでの茶話会です。(16:30~17:30)
場所はアルカスSASEBO 3階和室にて。

貴重なお話に加え、絵本の読み語りなどもあり、楽しい会のようです。
お近くにお住まいで、子どもの本に興味のある方にはお薦めですdiamond

新井悦子さんは、私の数少ない童話作家の友人のお一人です。
とても行動的で、創作活動にも真摯で、いつも刺激をもらっています。
絵本や紙芝居などいろいろ書かれています。

だいすきのしるし (えほんのぼうけん) だいすきのしるし (えほんのぼうけん)
新井悦子 おかだちあき

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昨年出版された新井さんの絵本。
親と子の心の絆が温かく描かれています。

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2013年9月22日 (日)

“居てよしッ!”

「居てよしッ!」
これは、今から10年前に放送された連続ドラマ『すいか』の中での、登場人物の台詞です。
(女性にも)「色々、居ていいんです」、と言う大学教授の夏子に、「私みたいな者も、居ていいんでしょうか?」と、34歳独身信金OL、人生に煮詰まった主人公基子が問いかけます。
すると夏子は、基子をジッと見たあと、「居てよしッ!」とひと言答えるのです。

東京、三軒茶屋にある賄い付の下宿に住む、仕事も年齢もバラバラの女性たちの、ひと夏の日々を描いた、この『すいか』というドラマが、とても好きでした。
DVDも購入して、今も、時々観ています。

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気持ちが疲れてきたら、むしょうに観たくなる。
私にとっては、そんな貴重なドラマですshine

先日、このドラマのシナリオが文庫本になっているのを知り、購入しました。
シナリオを読むのは初めてで、どうなのかなあ…と思いつつ、手に取りましたが、読んでいるとドラマのワンシーンが浮かんできて、ページをめくる手が止まらなくなりましたbook
それにしても、改めて、ドラマの配役が絶妙だったことを感じます。
読みながら、俳優さんたちの声が、姿が、ずっと浮かんでいました。

ちなみに、34歳にして初めて親元を離れてハピネス三茶で生活を始める主人公、早川基子役は私の好きな女優、小林聡美さん。
ハピネス三茶の住人、大学教授の夏子役は浅丘ルリ子さん、同じく住人の漫画家にともさかりえさん、大家は市川実日子さん。
そうして、三億円を横領して逃げ続ける、基子の職場の元同期OLが小泉今日子さん。
他にも、もたいまさこさん、白石加代子さん、高橋克実さんなど実力派ぞろいでした。

このドラマ、あちらこちらに心に残る台詞がちりばめられています。
前述の「居てよしッ!」は、中でも特に印象的でした。
人間だれしも、だれかから(自分自身からも)、「居てよしッ!」と力強く肯定されたいと、思っているのではないのでしょうか。
不器用でも、失敗しながらでも、はたからどう見られようとも、とにかく自分なりに精一杯生きている…、それでよし、と思えてくる作品です。

文庫本2の方には、10年後のハピネス三茶のお話もオマケとしてついています。
こんどは、基子が「教授――いてよし、です」と夏子へ言います。
これもまた、良いお話です。

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2013年7月 9日 (火)

『いつも彼らはどこかに』

『いつも彼らはどこかに』小川洋子著(新潮社)を読みましたbook
新聞広告の“この世界が素晴らしいのは 動物たちがいるから”というコピーに、動物好きな私はすぐさま反応happy01
しかも表紙には、可愛らしい、心惹かれるリス達の絵…。
先日読んで感動した、『川の光 外伝』同様、動物達が主人公の短編集だと思ったのですが…。
想像とは全く違っていました。

どの話も、主人公は人間です。
本の帯には上記コピーとともに、“無力で内気で懸命な彼らのための物語”とあります。
これは、動物たちのことであると同時に、登場人物たちを指してもいます。
胸に孤独を抱えた人物たちの、淡々と流れる日々の中、そこはかとなく漂う、動物達の気配や存在感。
時には支え、時には心にさざなみを立て…。
期待していたものとは違っていましたが、共感できる部分も多々ありました。

個人的には「ビーバーの小枝」の中の最終ページにあった数行が、心に沁みました。

“森のどこかではビーバーが自分の棲みかをこしらえるため、太い木と格闘している。自分に与えられたささやかな歯で、諦めることも知らないまま幹を削ってゆく。不意に、その瞬間はやって来る。一本の木が倒れる。地面の揺れる音が森の奥に響き渡る。しかし誰も褒めてくれるものはいない。ビーバーは黙々と労働を続ける。”「ビーバーの小枝」より

いつも彼らはどこかに いつも彼らはどこかに
小川 洋子

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