2019年5月 9日 (木)

詩を読む楽しさ、評する難しさ

昨年春から、1年間、日本児童文学者協会の機関誌「日本児童文学」で、投稿詩の選評を担当しました。
隔月の仕事でしたが、毎回、とても悩みながらの作業でした。

私自身も公募への投稿を励みに書き続けてきた人間なので、投稿者の気持ちがわかります。
出したあとの、期待と不安が入り混じる気持ち。
評が出れば出たで、良かったら舞い上がり、そうでなければ落ち込み…と、一喜一憂しながらずっと続けて来ました。
なので、こちらも真剣に向き合わねば、と毎回身の引き締まる思いでした。
毎回投稿される方々のお名前は、すっかり覚えてしまいました
様々な個性溢れる作品を読むことで、自分もたくさん学ばせていただきました。
詩を読む楽しさと、評する難しさを感じた、貴重で豊かな1年間でした。

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2019年3月30日 (土)

「山のきもち」

   山のきもち

山はいたくないのかな
からだに穴をあけられて
山はくすぐったくないのかな
おなかの中を列車が走って

トンネルにはいると
わたしはいつも考える
山はなにもいわないけれど
山のきもちが知りたくて
わたしはいつも耳をすます

                 「小さな詩集」9号より
~~~✿~~~✿~~~✿~~~✿~~✿~~~✿~~

先週のこと、近所の高速道路開通イベントで、特別に道路が歩けるというので参加して来ました。

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ほとんどがトンネルの中でしたが、普段は歩ける場所では無いので、なかなか面白かったです。
高速や橋などが開通した時に、よく歩けるイベントがありますが、参加したのは今回が初めて。
歩きながら、「私は今、山のおなかの中を歩いているんだなあ…」と、何か不思議な気持ちがしました。

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トンネルの奥を見た光景。

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トンネルの入り口をふり返っての一枚。
やはり自然の光が見えると、ホッとします。

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山の桜も咲いていました🌸

今週からは車が走っています。
山はどんな音を聞いているでしょうか。



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2018年10月 3日 (水)

アーサー・ビナード氏講演会

9月30日に、長崎市のとらねこ文庫さん主催の、アーサー・ビナード氏の講演を聴きに行って来ました。
アーサー氏は、米国出身。現在は広島市在住で、詩、絵本の創作、ラジオパーソナリティーなど様々な分野で活躍をされています。
多くの著作の中で、今回は主に原爆に関する二冊の絵本についてのお話をされました。

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『さがしています』は、広島で被爆して亡くなった少年少女が身に着けていた物の写真と共に、その物たちが持ち主を語る絵本。
『ドームがたり』は、原爆ドームが自分の体験を語ります。(写真の本です)
どちらも、実際に原爆が落とされた下にいて、体験を抱えた物たち。
アーサーさんは、その声なき物たちの声を感じ取り、言葉に紡がれました。

また、長崎ということもあってか、核の問題についても、熱くお話になりました。
私は平和案内人という原爆資料館などのガイドボランティアをしていることもあり、普通の方よりも原爆についての知識はあると思っていましたが、アーサーさんのお話の中には、いくつもハッとさせられることがありました。

広島は世界で最初の…。長崎を最後の被爆地に…。とは、よく聞くフレーズではありますが、実際は実験により多くの場所が被爆し、被爆者も出ているということ。
(世界では長崎原爆のあと、2000回以上の核実験が行われています)
戦争被爆地といえば、確かに広島、長崎のことかもしれませんが、では、劣化ウラン弾で攻撃された地域はどうなのでしょうか。
これからガイドするうえでも、考えさせらました。

過去、現在、未来へと、遠くまで見渡す視点の大切さを気づかせていただきました。

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2018年10月 1日 (月)

青いしっぽ

 青いしっぽ

とかげの青いしっぽは
子どものしるし
か弱くて 怖がりだけど
見たくって 行きたくて
知りたい思いが きらりと光る

わたしの中にもまだある
青いしっぽ
いくつになっても
知りたくて わかりたくて
わき立つ思いが 求めて走る
こころの中に 青いしっぽ



                   「小さな詩集」19号より

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...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。

「小さな詩集」19号が発行されました。

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今回は表紙、裏表紙の絵も描かせていただきました

原画は色がついています。

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猫は、かつていた「きなこ」がモデルです

これからも心の中の“青いしっぽを”大切にして、好奇心、探求心を原動力に、創作を続けていきたいと思っています。

今週末には、初めて「小さな詩集」同人全員が集まります。
でも、はやくも台風25号が発生していますね
どんなコースを取るか、はらはらして見守ることになりそうです。
どうか予定通りに行けますように。

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2018年8月 8日 (水)

『やさしい出会い』

前回ご紹介の杉本さんに続き、「小さな詩集」同人のみやもとおとめさんも、先月新しい詩集『やさしい出会い』(たんぽぽ出版)を上梓されました

みやもとさんの詩は、いつも人間愛に溢れていると感じます。
この詩集も、題名どおり、読む人をやさしい気持ちにさせる出会いがつまった一冊になっています。

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2018年6月29日 (金)

『漢字はうたう』

小さな詩集同人の杉本深由起さんが、この度、待望の詩絵本『漢字はうたう』(あかね書房)を上梓されました

杉本さんは、これまで数々の詩集で受賞をされている詩人です。
この絵本にもこれまで出版された詩集『いつだってスタートライン』や三越佐千夫賞受賞の『漢字のかんじ』に収録された詩が、吉田尚令さんの素朴で愛らしい絵と共に収録されています。
書き下ろしの詩もいくつも。

どの詩も漢字から想像をのびのびと広げて書かれています。
見慣れた漢字の中に、詩を発見した詩人の視線にハッとさせられます。
子どもたちが、温かな絵と詩の世界を存分に楽しみながら、漢字を身近に感じることができる絵本です。

漢字はうたう 漢字はうたう
杉本 深由起 吉田 尚令

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2018年3月17日 (土)

詩「迷い道」

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   迷い道

ふきの葉に
だれかが残した白いあと
ずいぶん迷ったんだね
あちらこちらに
曲がりくねって

どんないのちも
迷いながら生きている
ちいさな虫でも
自分で道をさがして進む
時には足もすくむだろう
引き返してもよいのだし

振り返れば
わたしのうしろにも
曲がりくねった道ひとつ
ぶかっこうでも愛おしい
ひとふで書きの迷い道

 「小さな詩集}18号・『子どものための少年詩集 2017』より

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生き物たちが、活発に動き出す季節になって来ました。
我が家でも、越冬中だったシジミチョウのサナギが黒くなり、羽化の準備を進めているようです。
いつも身ひとつで、生き抜く生き物たちには、いろんなことを気づかさせられます。
生き物との出会いから、いくつもの詩や物語ももらっています。
さて、今年も、どんな生き物に会えるのか、楽しみです

暖かくなって、猫達も日向でまったりしています。

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2017年11月15日 (水)

絵描きたちの平和のメッセージ原画展

昨日(11月14日)から19日(日)まで、長崎市の日本福音ルーテル長崎教会にて、「絵描きたちの平和のメッセージ原画展」が開催中です。(主催:とらねこ文庫)飯野和好さん、かこさとしさん、せなけいこさんなど、63名の絵描きさんたちが描いた、平和のメッセージの原画展です。

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私も長崎県在住の作家のコーナーに、メッセージを寄せさせてもらいました。

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展示スペースの一角に、長崎県在住作家のコーナーを作って下さっていました。
著作も置いてあります。

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私は言葉のメッセージを出しています。

昨日、同じくメッセージを寄せられた佐世保の童話作家新井悦子さん、漫画家の大原由軌子さんと、見学に行きましたが、画家さんたちそれぞれの個性が光る絵とメッセージが心に響きました。
私の作品に絵を描いて下さった、たるいしまこさんや、北見葉湖さんの絵もあります。
メッセージに込めた各自の思いも、参加者の皆さんの前で語らせていただきました。
平和をテーマにしたブックトークも、とても良かったです。

他にも朗読会やコンサートなども予定されています。
なかなか見られない錚々たる顔ぶれの画家さんたちの原画と、平和への思いがこもったメッセージに出会える貴重な機会です。
興味のある方は、ぜひ、足をお運び下さい。

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2017年11月12日 (日)

「カタバミの花」

 カタバミの花

ベランダにならんだ
植木ばちのすみっこで
カタバミが
カナリア色の花を
ぽっちりと咲かせた

いつのまにか
小さな青虫があらわれ
ハート型の葉をチリチリ食べて
米粒ほどのサナギに変わり
やがて 藤色のシジミチョウになった

飛び立つチョウに
穴だらけの葉で手を振ると
ひと仕事終えたカタバミは
ほっとしたように また
カナリア色の花を
ぽっちりとひらいた

                  こっとんの葉ノートより

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上の詩は、もう15年も前に書いた詩ですが、今もうちの植木鉢の片すみにはカタバミが生えています。
先月のこと、葉っぱに小さな青虫を発見。

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嬉しくなって、久々に成長観察をすることにしました。

やがて10月中旬くらいに、米粒大のサナギになっているのを確認。

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それが3週間ほどで、淡い緑だったのが、黒に。

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数日前から気づいていましたが、この写真を撮ったのは11月10日です。
一瞬、死んじゃったの!?と慌てましたが、調べてみるとこれは中でしっかり蝶になっている証拠とわかり、一安心。

そうして翌日の11月11日!
10時過ぎに気づくと、なんと羽化していました。
やっぱり、カタバミを食草にする、ヤマトシジミでした

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10時14分。最初に気づいた時の様子。
よくあんな小さなサナギに、入っていたものと感心します。
羽の模様ももうくっきりですね。
ヤマトシジミの羽は一見地味ですが、一番外側の模様が、チューリップの花が並んでいるように見えるのが可愛いのです

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10時26分の様子。

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10時41分。
羽もずい分広がりました~。

そして、10時50分過ぎ、ついに飛翔

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一度、ベランダの手すりにとまったあと、飛んで行きました。
感動の瞬間でした。
あんなに小さくてはかなげな羽で、広い世界へ飛んでいくのです。
短い蝶生を精一杯全うしてね、と願いました。

ちょっぴり、寂しくなりました…が、まだベランダのカタバミにはサナギがひとつと幼虫も数匹棲息中。
私の観察の日々は、もうしばらく続きます。
やった

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2017年6月11日 (日)

『少年詩の魅力』

詩人の海沼松世さんより、『少年詩の魅力』という本をお送りいただきました。
少年詩の定義から始まり、さまざまな詩を例に示しながら、わかりやすく少年詩の魅力が書かれています。
普段、私も何気なく詩を書いていますが、比喩や倒置法、反復法などの技巧についての解説は改めて勉強になりましたし、著者自身の作品を例に挙げた、推敲課程がわかる部分などもとても興味深かったです。
私の作品「かたりべ」と詩集『森のたまご』も、中でご紹介していただいています。
少年詩を書いている人も、これから書いてみたい人にも、お薦めしたい本です。

少年詩の魅力 (てらいんくの評論) 少年詩の魅力 (てらいんくの評論)
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