2016年10月15日 (土)

海のいのち

  海のいのち

クジラもマグロも
海に生きるすべてのもの
かれらは「資源」などではない
「いのち」だ
いつから人は
「いのち」を「資源」と
呼ぶようになったのか
まるで自分たちのために
存在するもののように

その言葉を聞くたびに
いつも胸がざわつく
行き過ぎた欲とごう慢の果てには
何が待っているのか

いつの日か人類が
この星からそっぽを向かれても
文句は言えまい
せめて他の生きものまで
道連れになりませんように

クジラもマグロも
海に生きるすべてのものは
「資源」などではない
かれらはまぎれもない
「いのち」だ

                    「小さな詩集」15号より

゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。゜。°。°

以前から「海洋資源」という言葉に、違和感を抱いてきました。
命あるものを「資源」と表現することが、どうにも気持ち悪くて…。

先月のNHKのEテレ「100分de名著」では、熊本の作家 石牟礼道子さんの『苦海浄土』を取り上げていました。
水俣の漁師さんたちは、漁で得る海の生きものたちを「のさり」(授かりもの)と呼んでいたそうです。
この「のさり」の気持ちを失った人類の驕りが、今もなお、さまざまな問題を引き起こしている気がします。

どんなに文明が進もうとも、人間も地球に生かされている一生命であるという気持ちを、忘れないようにしたいと思っています。

Photo

ペンギン水族館にいたウミガメ。(期間限定でした)

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2016年3月27日 (日)

春休み

  春休み

別れの寂しさを
かかえながら
出会いの予感の中を
漂っている

次のとびらへ入る前の
心地よい孤独

別れと出会いの
はざまの時間

                        こっとんの葉ノートより(小さな詩集2号掲載)

.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

学校は、春休みですね。
合わせたように、九州では桜の花も咲き始めました。

春休みには、他の長期休みとは違う、独特の雰囲気を感じます。
区切りの休み、だからでしょうか。
慣れ親しんだ場所から離れる寂しさと、新しい場所への期待感。
そのせめぎ合いの中で過ごす、貴重なひとときでもあります。

この春も、新しい環境へ入っていく人が、きっとたくさんいることでしょう。
近年は、外勤めをしていない私でも、淡々と日々が過ぎて行くようで、春はどこかしら改まった気持ちになります。
今年も、新鮮な気持ちで春を過ごしていきたいと思います。

16

桜ばかりが注目されますが、コブシの純白の花もとても綺麗ですdiamond

 

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2016年1月 9日 (土)

丸い旅路

     丸い旅路

また地球が
新たな周回に入った
何十億年もきまじめに
たどり続けて来た
丸い旅路

青い球体の上で暮らす
小さくてささやかなわたしたちも
地球とともに
新しい一年へと踏み出す

だれとも比べない
だれとも違う
自分だけの歩幅で歩き出す
丸い旅路

                     こっとんの葉ノートより

゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。゜。°。°。°。

時々、初心を思い出すようにしている。

何でもしばらくやり続けていると、どんどん欲が出て来て、以前は大喜びしていたことも当たり前になって、やがて、なぜ自分がそれを始めたかさえも、忘れてしまいそうになる。

だから、始めた頃のシンプルで新鮮な気持ちを思い出して、新たに向き合っていければと思う。
一年の始まりは、初心を思い出すのにも良い日。

2016_2

明けましておめでとうございます。
皆様のこの1年の丸い旅路が、明るくて穏やかなものでありますように。
今年もどうぞよろしくお願いいたしますclover

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2015年10月 1日 (木)

思い込み注意、な出来事(^^;)

日本児童文学者協会発行の『日本児童文学』誌上にて、1年間担当させていただいた、同人誌評が、2015年9、10月号をもって無事に終了しました。

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アケビとヤマネの絵が可愛いですcute

毎回3人で分担し、更に別な3人の方々と交互に行うということで、1年で計3回の担当になっていたのですが、なぜか私は完全に4回だと思いこんでいました。
今回、同じ評者のお二人が、終了の挨拶をコメントで書かれていたことで、発行後に初めて最終回だったことを知るという、オオボケsweat01
そろそろ4回目の同人誌がどっさり送られてくるぞー、とドキドキしていたのですから、世話ありません。

なので、私だけ妙にあっさりした、普通のコメントで終了となってしまいました。
夫に話すと「最近、他のことでも思い込みが強い。気を付けて」と注意される始末。
ほんとうに、思い込みやうっかりには気を付けないと、と、反省した次第ですsweat02

さて、同人誌評ですが、毎回、8冊から10冊を読み込むのは、思った以上に時間と労力のかかる作業でした。
皆さんの大切な作品を、いい加減に読むわけにはいきません。
隅々まで読み、付箋だらけにしながら毎回なんとか仕上げていきました。
ただの感想にしてはいけないと意識しましたが、果たして評になったかどうか…。
評することの難しさも痛感しました。

とても大変でしたが、書き手の皆さんの熱意をひしひしと感じることができ、私にとっても貴重な体験になりました。
この体験を糧に、また、自分の作品に向き合っていきたいと思いますpencil

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2015年8月20日 (木)

恐竜展へ

「ベランダの恐竜」

けさも
ベランダに恐竜やがやって来た
用心深くあたりをうかがい
口ばしでミカンをつつく

翼に変えた前足は
朝の光をやわらかく宿し
キバのかわりに
するどい口ばしと
歌を手に入れ
そして 空へ!

恐竜は滅びてなんかいない
きょうも すぐそばで
羽ばたきながら
さえずりながら
太古からの時の鎖を
つないでいる

                                                  こっとんの葉ノートより

...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**○оo。...。oо○**

以前もご紹介した詩ですが…。

先日、長崎市科学館で開催中の、大恐竜展へ行って来ました。

Photo_3

長崎市の海岸で、国内最大のティラノサウルス科の歯の化石が見つかり、その展示もされているということで、ぜひ、観てみたかったのですeye

恐竜は絶滅したとよく言われますが、一部は鳥類としてしっかり命を繋いできました。

Photo

恐竜は絶滅などしていないのですね。

Photo_2

ティラノサウルス科の歯の化石。
日本では最大級だそうです。
私が歩いている同じ地面の上を、何億年も前に恐竜が闊歩していたかと思うと、大古の時間が急に身近になった気がしてワクワクします。
長い長い地球の時間の先端で、今、私たちは生きているんですね。
そしてもし、人類が地球上からいなくなっても、また、他の生物達が、この地面を歩いていくのでしょう。

Photo

Photo_2



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2015年5月 8日 (金)

「森のたまご」

  「森のたまご」

そっと耳に押しあてると
風にそよぐ木の葉の歌が
きこえるかもしれない
幹を登る木のつぶやきが
きこえるかもしれない
小さな体の中には
大きな木が眠っているのだから
ここから森がはじまる
どんぐりは
森のたまご

                   詩集『森のたまご』より

.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

もう21年も前になりますが、当時住んでいた福岡で、近所の山で拾ったどんぐりを、植木鉢に埋めてみました。
それから芽が出て育ったコナラの木が、現在もうちのベランダにありますbud
一時期は、毎年いくつもの実をつけて、ベランダでどんぐり拾いを楽しませてもらったものです。
でも、ここしばらくは、とんと実をつけることが無くなっています。
何度か植え替えはしているものの、さすがに長い植木鉢暮らしに弱ってきたのかと思っていました。

それが、先日、若葉の間に、どんぐりの兆しを見つけました!

Photo

↑ まん中にある小さな粒つぶが、成長するとおなじみのどんぐりになります。

でも途中で落ちてしまうこともあるので、ちゃんと成長できるかはわかりませんが…。
久しぶりに、今年はベランダでどんぐりの成長を観察することができるといいなと思っています。

春の芽吹きや、次第に若葉を広げていく変化、秋のオレンジ色に染まる紅葉。
どこに住んでも、この木のおかげで四季を、森を身近に感じてきました。
大事な我が家の一員ですshine

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2015年5月 6日 (水)

詩集『ひかりあつめて』

「小さな詩集」のお仲間、杉本深由起さんが、小学館から詩集『ひかりあつめて』を出版されましたbook

虐めという難しいテーマに真摯に向き合った詩集です。
順を追って詩を読むうちに、一人の少女の物語が立ち上がってきます。
子ども達や若者はもちろん、大人も励まされる詩がいくつもありました。
杉本さんの言葉の力が、読む人の心を叩く力作です。

ひかりあつめて: ことばの力でいじめを超える!〈詩集〉

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杉本 深由起

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2015年4月 8日 (水)

「空色の服」

 「空色の服」

「どんな色とも合いますよ。
青空が似合わないものなんて
地球上にはないでしょう?」
店員さんの言葉に
思わず買ってしまった
空色の服

身にまとうと
どんな生き物とも
うまくやれそうな気がする
地球とおそろい
空色の服

                       「小さな詩集」12号掲載

Photo_5

★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。


子どもの頃、家にあった地球儀を眺めるのが好きでした。
山脈などがちゃんと立体的に作られている、結構リアルな地球儀でした。
一緒に月球儀もあり、こちらもよく手にとって眺めていた記憶があります。

地球儀を回しながら、地球も宇宙に浮かぶ無数の天体のひとつなんだと考えると、自分の住む世界が一気に宇宙スケールまで広がる感覚に、とてもワクワクしました。
その気持ちは、今でも変わりません。

あの地球儀と月球儀、どうなったのかな…?
多分、今はもうないでしょうが、今度の帰省時に探してみたくなりましたmoon1shine

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2014年12月21日 (日)

詩集を2冊ご紹介

最近いただいた詩集から、2冊ご紹介しますbook

1冊目はさとうじゅんこさんの『夜空を とんだ』(らくだ出版)です。

P1020702


これまで出された3冊の詩集の中から選ばれた詩を中心に収録されています。
いくつもの病を背負われながらも、詩の中に流れるユーモアとおおらかさに、こちらが励まされます。
冒頭の詩「がん告知の翌日」は、重い題名ですが、詩人と医師のやり取りに温かな気持ちになります。
《「あなたはいつでも飛んでいますよ」》医師の言葉どおり、さとうさんは詩という翼で、無尽に飛んでおられると思いました。

○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*

2冊目は西沢杏子さんの『虫の恋文』(花神社)です。

P1020703

『虫の落とし文』『虫の曼荼羅』『虫の葉隠』に続く、虫の詩集第4弾です。
虫を通して、命を人間を世界を、深く鋭く見つめた詩集です。
とりあげられている虫も、「卯月子守蜘蛛」「びろうどこがね」「どうがねぶいぶい」など、虫好きなら嬉しくなるほどマニアック!
「こめつき虫」の《かすかじゃ ない/ごみじゃ ない/泥じゃ ない》《くきっ と跳ねる/音で生きてる》など印象に残る言葉が並びます。
思わず足元の虫達に目を凝らしたくなる、読むほどに味わい深い詩集です。

                  

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2014年8月23日 (土)

「セミの穴」

  「セミの穴」

何年も 何年も
慣れ親しみ
守られてきた
地面の中から出て行く時
セミはどんな気持ちなのだろう

ある日とつぜん
胸の底からあふれ出す
衝動に突き動かされ
上へ上へともがくのか
上を上をと目指すのか

どんなに居心地の良い場所だとしても
出たくなる時がある
出なくてはいけない時がある

地面に開いたセミの穴は
決心のあかし
丸い穴の縁には
強い思いのなごりが
ただよっている

                       こっとんの葉ノートより

Photo


★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

外を歩いていると、ところどころで蝉の亡骸を目にするようになりました。
少し前の降りしきるような蝉しぐれと比べると、随分、淋しくなりつつあります。
今年の夏は、九州は梅雨に逆戻りしたようなお天気が続き、蝉たちも困惑したことでしょう。
蝉の声に夏の始まりを感じ、蝉の声の変化に夏の終わりが近づいていることを知る…。
私にとって、夏と蝉の声は切り離せない存在です。
同時に、詩心をくすぐられる存在でもあります。

ツクツクボウシの声が目立ってきました。
残り少なくなった夏を、元気に楽しみたいですね。

Photo

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