« やまね工房 | トップページ | ずっと傍らに本を »

2020年10月10日 (土)

あとぜき

    あとぜき

久しぶりに降り立った
ふるさとの駅
待合室の扉に貼られた紙には
『あとぜき!』の大きな文字

子どものころ
扉を閉め忘れると
「あとぜき せんね!」と
よく祖母に言われたものだ

古い家の引き戸の玄関
きしむふすま
猫の爪あとがついた障子
時には足で閉めて
叱られたこともあったり

たったひとことが
時間を巻き戻す
たったひとことで
想いが動き出す

『あとぜき』をして入った
小さな待合室は
私の胸の中のように
ほんのりと温かだった

※「あとぜき」゙… 熊本地方の方言。開けた扉を閉める事。

~~☆~~☆~~☆~~☆~~☆~~☆~~☆~~☆~~☆

この「あとぜき」という言葉、熊本以外の方はご存知ないかと思います。
上の※にも書いたように、「開けた扉を閉めること」を一言で表現したなんとも効率の良い熊本弁です😊

詩に書いたのは、何年も前に実際に見た光景です。
九州新幹線が開通してから、新八代駅を使うようになり、八代駅とは疎遠になっていました。
久々に降りて、待合室でこの張り紙を見た時には、とても懐かしい気持ちがしました。
「そうそうそう! こう言ってた!」と思わずにんまり。
子どもの頃、よく注意されていたことまで、くっついて思い出され、祖母や母の声まで蘇りました。
方言というのは、そういう力もあるんですね。
そんなことを書きたくて、詩にしてみました。

今回、詩にするにあたって、「あとぜき」が本当に熊本地方だけで使われているのか(九州共通の方言もありますので)などネットで調べたり、他県出身の友人に尋ねてみたりしてみたのですが、やはり熊本特有のようです。
そして今でもけっこう、熊本県内の建物などには扉に「あとぜき」と書いた紙が貼ってあるみたいなのです。
他所から来た人は、きっと”きょとん?”としてしまうでしょうね😁
新しい駅舎になった八代駅に、去年行った時には、もう「あとぜき」の張り紙はありませんでした。
それはそれで、ちょっと残念です。

Photo_20201010161501
雲もすっかり秋らしくなりました。

Photo_20201010161601
アキノノゲシ💛 あちこちで咲いています。





| |

« やまね工房 | トップページ | ずっと傍らに本を »

」カテゴリの記事

その他」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« やまね工房 | トップページ | ずっと傍らに本を »