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2020年7月14日 (火)

ふるさとの川

   ふるさとの川

蛇口から流れ落ちる水に
手を浸している
太古の頃から
ずっと水は
巡り続けているから
この水の中の何滴かは
私のふるさとの川を
知っているかもしれない

だから 離れて暮らす今も
私は水に触れるたび
懐かしい川を
感じることができる
悠々と海へ流れ込む姿を
思い出すことができる

いつか
あの川のように
ゆったりとした心に
なれるだろうか
手のひらにすくった水を
飲みほして
私はふるさとの川と
ひとつになった

            詩集『森のたまご』より

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ずい分前に、私の故郷、熊本県八代市を流れる川を想って書いた詩です。
今回、洪水で大きな被害をもたらした球磨川です。
今、テレビをつけると毎日のように、濁流になって橋を壊し、町へと流れ込む球磨川の姿が目に飛びこんで来ます。
子どもの頃から親しんで来た川が、今回、多くの命や家を奪ったことを考えると、胸が締め付けられる思いです。
被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

被害の大きかった坂本町や人吉市には親しい友人もいて、数日間連絡が取れなかったのでとても心配しました。
幸い友人達は、本人も、ご家族共に無事でしたが、まだ不便で不安な生活をしているようです。
一日も早く天気が安定し、救助や復旧作業が進むことを願うばかりです。

日本三大急流と言われる球磨川ですが、私が育ったのは海へ流れ込む河口に近いあたりなので、ゆったりと流れる広々とした川のイメージでした。
ただ、子どもの頃には洪水も経験したこともあり(うちは床下浸水でした)、いざ氾濫した時の怖さも知っています。
それでも普段は悠々と穏やかに流れる川で、土手では弟や友達と土筆を採ったり、四つ葉のクローバー探しや昆虫採集もしました。
夏の花火大会や灯篭流しも楽しい思い出です。
私の名前の「木綿子」は、球磨川の古名「木綿葉川(ゆうばがわ)」からもらったものです。
「ああ、故郷へ帰って来た」と思える場所のひとつでもあります。

そんな川が、恐ろしい危険な川として全国に知れ渡るのには複雑な思いを抱いています。
自然の豊かさと危険は紙一重だということも思い知らされます。
でもまた同時に、流域の市町村が、球磨川の恵みと共に生きてきたことも事実。
今後も続くであろう異常気象のもとで、自然とどう折り合いをつけて共存していくのか、誰もが考えていかねばならない時代に入ったのだと実感します。
異常気象の一端と言われる地球温暖化対策は、もう待ったなしではないでしょうか。
個人ができることは小さいですが、私もできるところから、自分の生活を見直していきたいと思っています。

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Photo_20200714095701

普段の球磨川(八代市中心部近くで撮影)の姿です。



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