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2014年8月

2014年8月23日 (土)

「セミの穴」

  「セミの穴」

何年も 何年も
慣れ親しみ
守られてきた
地面の中から出て行く時
セミはどんな気持ちなのだろう

ある日とつぜん
胸の底からあふれ出す
衝動に突き動かされ
上へ上へともがくのか
上を上をと目指すのか

どんなに居心地の良い場所だとしても
出たくなる時がある
出なくてはいけない時がある

地面に開いたセミの穴は
決心のあかし
丸い穴の縁には
強い思いのなごりが
ただよっている

                       こっとんの葉ノートより

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外を歩いていると、ところどころで蝉の亡骸を目にするようになりました。
少し前の降りしきるような蝉しぐれと比べると、随分、淋しくなりつつあります。
今年の夏は、九州は梅雨に逆戻りしたようなお天気が続き、蝉たちも困惑したことでしょう。
蝉の声に夏の始まりを感じ、蝉の声の変化に夏の終わりが近づいていることを知る…。
私にとって、夏と蝉の声は切り離せない存在です。
同時に、詩心をくすぐられる存在でもあります。

ツクツクボウシの声が目立ってきました。
残り少なくなった夏を、元気に楽しみたいですね。

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2014年8月17日 (日)

「地面の記憶」

  「地面の記憶」

あの日
どれほどの命が
燃え尽き 消えていったのか
あの日
どれほどの声が
どこにも届かず
不気味なきのこ雲の中に
吸い上げられていったのか

この地面は知っている
この地面は忘れない

人間も動物も
草も木も
そこにいた
あらゆる命のうえに訪れた
残酷な終止符
かき消された命の音
死の無音が
この場所を包んだ
八月のあの朝を

この地面は覚えている
この地面は忘れない

あの日
命に起こったすべてのことを
拾われなかった骨たちを抱いた
記憶の地層の奥から
静かに伝え続ける

あの日が
二度と来ないように
あんな日を
二度とどこにも
つくらないように……

                      詩集『宇宙のすみっこ』より

P1000519

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上記の詩を、先週火曜日(12日)に、熊本シティFMの「ゆるるアフタヌーン」でパーソナリティの政木ゆかさんが、女優の松岡優子さんと朗読して下さいました。
終戦記念日が近いということで、選んでくださったとのこと。
残念ながら長崎では聴けなかったのですが、心をこめて読んでいただけて、とてもありがたかったです。

先週は、7、8、9日と原爆資料館へ通いました。
出身地熊本の新聞社の記者さんが取材に来られたため、取材協力もしました。
私自身、熊本に住んでいたころは、原爆の日をほとんど意識せずに過ごしていたので、県内出身者がガイドをしているということで、少しでも興味を持ってもらえればと思い、引き受けた次第。
他の記事も送っていただいて読みましたが、被爆者や遺族の方、祈念式典など、とても真摯に取材されたことが伝わってくる、良いものでした。
私も取材を受けたことにより、また、初心に戻れた気持ちがしました。

今年の夏は、きっぱりと晴れた夏空を見る日が少ないです。
それでも、蝉たちは、毎日精一杯鳴いています。
まだまだ残暑は続きますが、皆様も元気にお過ごし下さいませsports

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