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2013年7月 9日 (火)

『いつも彼らはどこかに』

『いつも彼らはどこかに』小川洋子著(新潮社)を読みましたbook
新聞広告の“この世界が素晴らしいのは 動物たちがいるから”というコピーに、動物好きな私はすぐさま反応happy01
しかも表紙には、可愛らしい、心惹かれるリス達の絵…。
先日読んで感動した、『川の光 外伝』同様、動物達が主人公の短編集だと思ったのですが…。
想像とは全く違っていました。

どの話も、主人公は人間です。
本の帯には上記コピーとともに、“無力で内気で懸命な彼らのための物語”とあります。
これは、動物たちのことであると同時に、登場人物たちを指してもいます。
胸に孤独を抱えた人物たちの、淡々と流れる日々の中、そこはかとなく漂う、動物達の気配や存在感。
時には支え、時には心にさざなみを立て…。
期待していたものとは違っていましたが、共感できる部分も多々ありました。

個人的には「ビーバーの小枝」の中の最終ページにあった数行が、心に沁みました。

“森のどこかではビーバーが自分の棲みかをこしらえるため、太い木と格闘している。自分に与えられたささやかな歯で、諦めることも知らないまま幹を削ってゆく。不意に、その瞬間はやって来る。一本の木が倒れる。地面の揺れる音が森の奥に響き渡る。しかし誰も褒めてくれるものはいない。ビーバーは黙々と労働を続ける。”「ビーバーの小枝」より

いつも彼らはどこかに いつも彼らはどこかに
小川 洋子

新潮社 2013-05-31
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