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2013年4月21日 (日)

『想像ラジオ』

東日本大震災からちょうど2年目の、今年3月11日に発行された、いとうせいこう著『想像ラジオ』は、著者16年ぶりの新作小説です。

「想像ラジオ」とは、文字通り、リスナーの想像力の中だけでオンエアされるラジオ放送で、パーソナリティは、DJアークという男性。
しかも彼は、杉の木のてっぺんにあお向けにひっかかった状態で、しゃべり続けているという設定です。
アークがリスナーのリクエストや便りにこたえて、軽快なおしゃべりとともに、懐かしいナンバーを次々と流していきます。(その曲もまた、リスナーの想像力で変更可)
アークが一体何者かはここでは書きませんが、一昨年の大震災と深く関係しているということが次第にわかってきて、改めて、あの頃感じた気持ちなどを思い出しながら読みました。

死者と生者は、想像力をもってのみつながることができる。
だから、私達は亡くなった人達のことを、思いを、声をこれからも想像し続けよう、忘れずに考え続けよう。(大震災の死者だけに限らず)
そんなメッセージを、私は感じました。
不思議な余韻が、あとからじわじわ湧いてくる物語です。

想像ラジオ 想像ラジオ
いとうせいこう

河出書房新社 2013-03-27
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コメント

題名も表紙も(もちろん、こっとんさん紹介の内容も)引きつけられる本ですねshine

私もふとした時、大好きだったおじいちゃんのことを考えたりします。そして何かの時に「これはおじいちゃんのお陰かも」と考えたりすることもあります。

祖父以外の亡くなった人でも想いを馳せることがあります。

亡くなった人のことなどを時々考えるのも、今を生きていく上で大切な時間なのかもmist

投稿: ミー | 2013年4月25日 (木) 11時53分

>ミーさん
お祖父さまは、ミーさんにとって、とても大事な存在だったのですね。
思い出している時間は、きっと心の中で、亡くなった人と会話をしているのだと思いますshine
いつまでも思い出したい、と思える相手がいるって、素敵なことですね。

投稿: りとるこっとん | 2013年4月27日 (土) 20時41分

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