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2012年9月14日 (金)

『アハメドくんのいのちのリレー』

友人が勧めてくれた本を紹介します。

アハメドくんの いのちのリレー アハメドくんの いのちのリレー
鎌田 實 安藤 俊彦

集英社 2011-08-26
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2005年、パレスチナ人の12歳の少年アハメド君は、イスラエル兵の狙撃により脳死に陥ります。彼の父親は、イスラエルの病院で打診された臓器移植を承諾し、アハメド君の臓器は移植されていき、何人ものイスラエル人の子供達を救いました。
このニュースを知り、ずっと忘れられずにいた鎌田實さんが、数年来の夢を叶えて作られた絵本です。
アハメド君のことはもちろん、その後、鎌田さんが会いに行った、アハメド君の心臓を移植してもらって元気になったイスラエルの少女と、その家族と会ったことなども綴られています。

アハメド君のお父さんが言った言葉、「武器を手に戦うことばかりが、戦いではありません。戦い方は、いろいろあるんです」というのが印象的でした。
お父さんは息子の臓器を敵であるイスラエル人も区別なく提供することで、静かに命に区別の無いことを訴え、人と人が憎みあう戦争というものの愚かさと戦っているのだと思いました。

今、世界に、日本に、広がっていっているのは、どちらかといえば、これとは反対の、不寛容、排除の感情のような気がします。
他者を認め合い、許し合い、共存の道を探っていく社会の方が、誰にとっても生き易い社会ではないかと思うのですが…。
不寛容は、人間同士だけでなく対生き物に関してもそうです。
同じ民族、同じ宗教、同じ階級、同じ文化、そして猫1匹歩いていない、虫も雑草も無い町があったとしたら…。
そんな町は、私には息苦しいとしか思えません。
他者への想像力、寛容さを失ってしまえば、残される道は戦争しかありません。
この絵本は、そうでない未来への人間の可能性を示していると感じました。
(臓器移植の是非は別として)

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コメント

自分とまったく同じ価値観の人間はいないし、みんな感じ方や考え方が違う。いろんな考え方、感じ方があるという事が解ることが出来るよう、様々な事を多少なりとも知っておかないといけないなと思いましたbud
興味のないものになかなか関心が持てないのが当たり前かもしれませんが、いろいろな角度でものを見れるようにはなりたいなぁclub

投稿: ロン | 2012年9月14日 (金) 11時32分

>ロンさん
言うは易く行うは難し…、ですもんねsweat01
私もまだまだ知らないことだらけだし、寛容にも程遠いです。
いくつになっても、人生勉強pencilなのかな。
視野を狭くしないように気をつけたいものですね。

投稿: りとるこっとん | 2012年9月14日 (金) 21時32分

「戦い方は、いろいろあるんです」というお父さんの言葉、私も心に響きました。寛容さと同時に、不当に踏みにじられた場合は、自分の権利を守ることも私は必要だと思っているのですが、その解決方法として暴力を選ばないで戦っていきたいし、それを実行されたお父さんは強いなぁと思いました。
 今度、読んでみますね。
 ところで、長崎冠水と聞きましたが…、大丈夫ですか?

投稿: 詩音 | 2012年9月17日 (月) 20時23分

>詩音さん
私も同感です。
命をないがしろにすることや不当な抑圧には、寛容にはなれないですし、きちんと怒りたいと思っています。
暴力や武力に頼らない闘い方こそ、本当の勇気が必要なのだとも。

長崎は海沿いのあたりが浸水被害を受けましたが、うちは山沿いなので大丈夫です。
ありがとうございますribbon

投稿: りとるこっとん | 2012年9月18日 (火) 14時12分

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